【ティラノビルダー】簡単にノベルゲームが作れる 初心者の体験談
ゲームをクリアした時に思ったことはないだろうか。シナリオが凄くよかった。こんなシナリオ書けるようになってみたいな……と。でも、自分には技術がないから一生縁のない話しだな。私もそう思っていたのですが、ティラノビルダーという初心者でも簡単にノベルゲームを作成できるサイトを見つけたので試してみました。
目次
【ティラノビルダー】初心者でも簡単にノベルゲームが作れた
引用:ティラノビルダー公式HP
結論、できた。直感的な操作だけで作れたので、簡単な物を作るうちはプログラミングの知識も必要なかったです。シナリオって頭の中で考えてるだけだと煮詰まりますが、紙に書いていると意外と色んな案が出てくるものですね。
どこで見たのか思い出せませんが、『世の中の作品のほとんどは未完成で消えていく。まずは作品を最後まで書ききることだ。』とも言いますし、とりあえず反省点は出来上がってから考えることにしました。完成させないと、改善点も分からないままですしね。
そもそもティラノビルダーとは何なのか
ティラノビルダーは、イラストやシナリオは好きだけど技術が分からない人にもゲーム制作を楽しんで貰おうと開発されたものです。一部機能に制限はありますが、無料で利用できます。ドラッグ&ドロップの簡単操作で制作可能です。
私はまだ選択肢や、分岐シナリオには挑戦していませんがそれでも自分の手でゲームが出来ていく感覚を楽しめました。背景や音楽、キャラの立ち絵との組み合わせ考えながらシナリオを考えていくのは新鮮でした。
Twitterで話題になっていた「公衆電話」もティラノビルダーで制作されているようです。Youtubeで活躍しているゲーム実況者のレトルトさんが投稿している動画の中にも、いくつかティラノビルダーで作成されたものがあがっています。
【ティラノビルダー】簡単にっていうけど、実際何時間かかったのか
少し興味が沸いてきたけど、実際どのくらい時間がかかるのだろう。そう思った方もいるのではないでしょうか。参考までに私がどこにどれくらい時間をかけたのか紹介します。ながら作業の時や、被っている作業があったので、効率よく&集中すればもっと早く完成させられたと思います。
ジャンル決め~1時間~
私の場合は、なぜノベルゲームを作ろうとしたのか紙に書き出しました。読書術の応用ですが、こうすることによって最後までやりとげられる可能性があがるので。その後、現状考えられる問題点をリストアップしてから各ジャンルの分析を始めました。
例えば、私の場合はイラストを自前で用意できないので「恋愛、青春」のようなキャラクターに感情移入するジャンルは厳しいです。フリー素材を利用する手はありますが、「あ、このイラスト他のゲームでも見たことある。」と思われてしまうと自分の想定と違うイメージが混ざってしまいます。
「脱出ゲーム、ミステリー」このジャンルは、ギミックの設定が初心者には厳しいように感じます。画面の一部をクリックしたり、複雑なシナリオ分岐設定は慣れてこないと途中で挫折してしまうかもしれません。まずは完成させることが最優先なので、興味はありますが後回し。
「コメディ、ホラー、サスペンス、ファンタジー、SF」など、その他にも色んなジャンルを検討した結果、立ち絵が「かまいたちの夜」のようなシルエットでも問題なく演出できるジャンルにしようと決めました。最終的にはSF要素を交えた、選択肢無しの物語にしました。
ノベルゲームの読者層の想定~1時間~
ノベルゲームの読者層の想定です。なんで小説でなく、ノベルゲームを読むのでしょうか。パッと浮かぶのは、「背景や立ち絵があるので場面のイメージがしやすい。文字だけでは集中力が続かない。音楽と組み合わせて読みたい。自分の選択によってストーリーが変わる。」これらの4点でしょうか。
ですが、そもそもノベルゲームを自分でプレイしている人は多くいるのでしょうか。無料のノベルゲームは、言い方が悪いですがおもしろい保証がありません。大手のゲーム制作会社が作っているわけではないので、実際にやってみないと分からないのですから。
娯楽が溢れている時代に、わざわざ無名の製作者のノベルゲームを遊んでくれる人はそんなに多くないのでしょう。もちろん、例外はあります。「Twitterで話題になっていた。」このケースは話題になるくらいですからある程度のおもしろさは保証されていますし、流行りにのっかりたい方もプレイしてくれるでしょう。
ただ、気になるけど自分でプレイするのはめんどくさい、時間が取れないという方は一定数います。そうなるとYoutubeのゲーム実況動画を見たくなりますよね。好きなゲーム実況者が、どんな選択・反応をするのかを見ながらノベルゲームを楽しんでいるケースの方が多いのではないでしょうか。
私もニコニコ動画の時代から、牛沢さん・レトルトさんの動画をよく見ていますので当てはまります。ノベルゲーム実況動画を見たことがあって、自分でもノベルゲームをプレイしたことがある層はおそらく20代中盤~30代後半がボリューム層になってくるでしょう。その層のターゲットに向けておもしろいと感じて貰えればプレイしてくれる人が増えるはずです。
結局は、「SNSでシェアしたくなるノベルゲーム」が一番多くの方に見て貰えます。では、SNSで紹介したくなる要素とは一体なんでしょうか。
- おもしろいゲームを人より先に見つけた、伝えたい
- 共感して欲しいという想い、誰かと感想を言い合いたい、共有したい
- 想像していなかった展開があって驚いた
- 選択肢で悩み、他の人がどう考えてどんな結論を出すのか気になる
- 好きな人、好きなゲーム実況者が紹介していたのでやってみたい
- 作者のファンである。作品のファンになった
……などなど、沢山思い浮かんできます。多くの場合は「喜怒哀楽」のいずれかの感情が強く揺さぶられた時に人は他人に紹介したくなると想定されます。
話題になりやすいということを踏まえると、「ホラー・ミステリー・謎解き・サスペンス・SF」あたりが最近の流行りでしょうか。好きなゲーム実況者、Vtuberにプレイ動画をあげて欲しい層がいますし。考察に関してはここまでにしておきましょう。
シナリオを考えて、紙に書く~6時間~
さて、色んなことを考えて頭の中が整理されたので早速ストーリーを考えましょう。本来ならば大雑把なあらすじを考えて書き出すべきでしょうが、何も思い浮かばなかったので、パッと思いついた言葉をベースに思いつくままに書いていきます。一旦思いつけば、意外と次の展開を考えるのが楽しくなってきました。
気付けばファミレスで数時間、A4のノートに色んなアイディア・展開をメモしていました。このあたりでは、設定や伏線、つじつまが合わなくなってくる部分などは一旦目を瞑って、後から修正しようと考えていました。
紙に書いた下書きをWordに入力しながら修正~5時間~
「始めからWordに書けばよかったんじゃない?」そう思った人もいるでしょう。私もその一人です。……が、紙に書いた方が色んな思いつき、違う展開、修正前の表現を残しながら書けるのでよかった気もします。アイディアが頭の中でまとまっている人はWord、アイディアを考えながら進めたい方は紙に書くのがいいと思います。
ここで表現の修正やつじつま合わせ、話の深掘りを考えながら入力していきました。約15,000字、単純計算で400字詰めの原稿用紙37枚分くらいですね。これでようやく短篇小説と言えるくらいの文字量です。
ティラノビルダーをインストールする~10分~
これは公式HPから簡単にできます。インストール+チュートリアルをしてもそんなにかからないので、先に済ませておいてもいいかもしれません。
立ち絵、音楽等のフリー素材を探す~2時間~
意外と時間がかかった分野。頭の中で、こんな感じのものが欲しいなというイメージがあるのでフリー素材を探していきます。最終的に背景は無料画像サイト。立ち絵はびたちー素材館様、音楽は魔王魂様のを使用させて頂きました。
質の高い素材をフリーで公開して頂きありがとうございます。これから作ってみようという方はぜひチェックしてみてください。
Wordの文章をティラノビルダーに入力していく~1時間~
これはもうある程度文章が出来上がっているので、コピペして体裁を整えていくだけなので楽。かと思いきや表示のされ方が少しイメージと違う……何とかなりそうでしたが、これはこれで悪くない気もしたのでこのままで。一画面に複数の文章を改行しながら表示させたかったのですが、情報が少ない方が読みやすい気もしたので。
今回は後回しにしてしまいましたが、ちゃんと表示方法調べておいた方が今後のためになりますね。
立ち絵、音楽等をティラノビルダー挿入していく~2時間~
文章をキリのいいところで区切って挿入したので、次は立ち絵や音楽を入れていきます。無料版だと、「キャラ数が10人・BGMが10曲・背景が30人まで」という制限があります。中編・長編作を作ろうと思った場合は注意が必要です。私は短篇だから関係ないと考えていましたが、BGMはギリギリでした。
BGMはogg方式で使ってくれと書いてあったのでそれに従います。キャラの登場から退場まで設定し、背景・音楽の切り替わるタイミングを考えながら調整します。ここは暗転を入れよう、ここは余韻を残したいから待ち時間をいれようと作業しながら思いつくので試しながら進めていきました。
最初から最後まで確認しながら改善・修正~2時間~
なんとか形になったので、最初から最後まで通しで進めてみてさらに改善・修正していきます。あと、プレイ時間がどのくらいかかるのかもチェックしました。私の場合は約15,000字、プレイ時間だと約20分くらいです。通しで見てみると、表現の仕方を変えた方がいいところや、BGMの大きさなど気になるところが見つかります。
見つけて、直して、読んでみて、それを何度か繰り返しました。
タイトル画面、ED画面を作る~30分~
絵心ある人が本当にうらやましいと思った瞬間。デフォルトのままだったタイトル画面を変えます。イラストを外注する方法もあったのですが、まずは無料で完成させるのが先決です。今回はフリー素材の上に文字を重ねた簡易的な物にしました。ED画面もパワーポイントで作ったシンプルな物に。
ゲームを公開する準備をする~1時間~
とりあえず、それっぽいものが出来たのでブラウザ版でゲーム出力してみます。そしてティラノビルダーの関連サービス、「ノベルゲームコレクション」にアップロードしてみます。zipファイルにしてアップロードするだけなので楽ちんでした。
Twitterアカウントとの連携、ゲームの紹介文、プレイ画面の画像が5枚必要だったので予め用意しておいた方がいいです。登録すると、審査待ちの状態になりました。審査して問題なければ公開されるようです。私の場合は翌日にはアップロードされました。
開始→完成まで~合計約22時間~
ようやく完成です。短篇、選択肢無しのノベルゲームならば、1日あたり1時間~2時間の作業で2週間もかからずに完成させることができます。いや、多分このページ見て流れをつかんだ後ならもっと早く作れます。私は段取り悪かったですが1週間で作れました。
選択肢あり、分岐ルートあり、複数EDありとこれば凝るほど作業時間は増えます。そうなると、完成するまでに挫折してしまったり飽きてしまったりすると思うのでまずはこのくらいのボリュームがいいのではないでしょうか。もっと短くてもいいくらいかもしれません。
作ってみると、ゲーム作成はたしかに楽しい。それと同時に、イラスト書いたり・長編でマルチエンディング作ってる人は本当に凄いなと思いました。やってみて分かる大変さ。
まとめ
- ティラノビルダーなら簡単にノベルゲームが作れる
- シナリオを考えて、文字に起こして形にしていく
- 文章に背景、立ち絵、BGMを組み合わせていく
- 短篇、15,000字程度であれば1週間~2週間で作れる
- 未完成のまま終わらせず、せっかくの機会なので完結させてみる
- シナリオを考えたり、ゲームを作ってみるのは楽しい
以上。最後までご覧いただきありがとうございました。ノベルゲームを作ってみたかった・ティラノビルダー使ってみようかなと考えている人の参考になれば幸いです。人生いつ、どうなるか分からないのですから、思い立ったが吉日です。ぜひ行動に移してみてくださいね!あなたの作品に出会える日を楽しみしています。